着圧ソックスを履いている方も多いと思います。「足(脚、下肢)がだるい」「むくむ」「脚を細くしたい」「きれいな脚になりたい」など、思いも様々かと思います。
しかし、着圧ソックスにも色々な注意点がありますので、ご理解の上、使用して頂きたいと思います。
医師が医療現場で使用する着圧ソックスは、「弾性ストッキング」と呼ばれており、医療用です。しかし、数多くの異なるストッキングが流通しておりますので、どのような疾患に、どのようなタイプのストッキングを、どのように着用したらよいか、専門的知識が必要です。
当院は血管疾患を特に専門に扱い、下肢静脈瘤外来やむくみ外来がありますので、弾性ストッキングを用いた治療を幅広く行っています。
そのため弾性ストッキング・圧迫療法コンダクターの資格を有する医師・看護師が5名在籍しており(2024年7月現在)、その対応に当たっています。
形状にも色々ありますが、ハイソックスタイプが多く使われています。特に大切なポイントは、圧迫圧とサイズです。
どの位の強さの圧迫圧のストッキングにするかはとても重要です。
圧が弱いと十分な効果が得られません。足首にかかる圧がどのくらいなのか、必ず確認して下さい。
足首からふくらはぎにかけて圧力は下がっていく必要があります。また、着用する方のサイズに合っていることも大切です。
弾性ストッキングのサイズを足首やふくらはぎの周径で決めるものがお勧めです。
履き方にもコツがあります。どのような時に使用すべきなのかも重要です。
また、ストッキングを使用してはいけない、あるいは慎重に着用する必要がある病状の方もいらっしゃいます。
弾性ストッキングの形状
ハイソックスタイプ
ストッキングタイプ
パンストタイプ
弾性ストッキングの圧迫圧(足首にかかる圧力)と疾患
圧迫圧 (mmHg) | 圧迫圧 (hPa) | 代表的な適用疾患と使用目的 |
15~20 | 20~27 | 深部静脈血栓症の予防、廃用症候群の浮腫、高齢者 |
20~30 | 27~40 | 浮腫全般、下肢静脈瘤、静脈瘤術後など |
30~ | 40~ | うっ滞性皮膚炎・潰瘍、リンパ浮腫 |